補償コンサルタントとは?

国や地方自治体等が公共事業(道路拡幅や区画整理等)を施行する際、用地取得事業に支障となる建物の所有者や借家人などの関係人から了解を得た上で移転していただくこととなります。
その場合に生じる損失を、土地代金や建物移転料金等として補償する理由の説明や根拠となる資料を作成することが私たち補償コンサルタントの仕事です。

補償の業務の区分

※ 緑色に変わっている部門は当社が得意としている部門になります。詳細はクリックしてご覧ください。

調査の流れ

【物件調査】用地取得の内容と流れ

移転の対象となる建物の現状を現場調査し、それを図面化し、補償金を算定します。
どんな補償金の算定が適正なのかを役所の方々と協議し、提案します。

1.調査の日程を決めさせていただきます

起業者(行政等)から調査する物件の一覧をいただきます。 その一覧表を基に、一軒一軒お電話かご訪問にてご連絡させていただき、調査の日程を決めていきます。

2.対象の建物の現場調査を行います

建物の間取りや仕上げなどを現地で細かく調査し、野帳(ラフ図)にします。
外まわりの工作物や庭の樹木なども調査します。
建物の使用状況もお伺いさせていただきます。

3.調査内容を基に図面化します

CADソフトを使用して、現場調査の内容を図面化していきます。

4.起業者(行政等)の方と補償方法について協議を行います

起業者に適正な補償方法・方針の提案をし、協議して決定に至ります。
方向性がまとまるまで、何度も協議を重ねます。

5.補償金を算定します

決定した内容を、一定の基準に基づいて補償金を算定します。
図面と併せて報告書をまとめ、起業者に提出となります。

用地取得に関するご質問
家屋調査って具体的に何をするのですか?

調査内容は家屋内外(内外壁、天井、床、基礎など)、工作物(塀、ガレージ、花壇、物置等)の現況または損傷状況の写真撮影、柱、床の傾斜測定を行ないます。
小規模工事の時は外部だけの調査、プライバシーに関する事情等により一部辞退などのケースがあります。

どんな方が調査に来るのか不安です。信用できるのでしょうか?

我々の仕事は誠実に実行することが使命です。
調査の際には、まず何の目的で来たのか、自分が誰なのか明確にお伝えします。
基本的に、了承を得て立ち合いをお願いしております。
押入れなどの見えない部分を無理やり調査することはありませんので、ご安心ください。

建物等の補償額はどのようにして決まるのですか?

建物等の補償については、事前に詳しく調査させていただき、一定のルールに基づいて補償金額を算出します。

移転先はどうすればいいのですか?

移転先については、位置・面積・形状・価格などそれぞれの個別の事情により異なることから、非常に複雑な問題が介在しますので、基本的にはご本人で探していただくこととなります。
諸事情により、業者選定になるケースもございます。

話し合いで解決しなかった場合はどうなるのですか?

公共事業に必要となる用地は、みなさんとの話し合いにより理解をいただき取得することを基本としています。
しかしながら、どうしても話し合いで解決できない場合においては、土地収用法の手続きによって収用委員会の公正な判断を得て、用地を取得することとなります。

【事業損失】家屋調査の内容と流れ

上下水道工事など掘削を伴う道路工事の場合、施工する道路の沿道家屋が対象となります。
施工者と工事周辺地域の方々との間に立ち、工事前と工事後の状況を調査し、工事による影響を受けたか否かの判断を公正に行います。
万が一、影響が出ている場合は適切な現状復旧費を算出します。

1.建物工事前調査<家屋調査(事前)・工事損失調査(事前)>

建物や塀などの写真撮影や測定などを行い、工事施工前の状況を把握する“建物事前調査”を実施します。建物などに工事による影響があったか否かを、より正しく判断します。
工事箇所からの距離・掘削の深さ・地盤の性質・建物自体の経過年数・工法などの条件により、影響を受ける可能性がある範囲と調査内容が変わってきます。

【具体的な調査内容】
家屋の全景 / 内壁、天井の亀裂 / 内壁と柱との隙間 / 廻縁などの隙間 / タイル張り部分の亀裂及び目地の状態 /柱、床、敷居、塀などの傾斜 / 建具の建付け状況 / 外壁モルタル、タイルの亀裂及び隙間 / 叩き、布基礎の亀裂 /土間の亀裂及び隙間 / その他現在の家屋の状態 など

2.調査内容を図面化し、報告書をまとめます

CADソフトを使用して、現場調査の内容を図面化します。
完成した報告書を一度役所に提出します。

3.事業中(工事中)
4.建物工事後調査<家屋調査(事後)・工事損失調査(事後)>

工事完了後、地盤の安定期間を考慮して調査を行います。
“建物工事前調査”の資料との対比調査とともに、工事周辺地域の方からの申し出の箇所の調査を行い、工事後の状況を把握します。
工事箇所から遠い・掘削が浅い・地盤の性質が硬いなどで、さらに工事中に何らかの影響を与えるような要因がなかったときは、工事周辺地域の方への変化の有無の聞き取り調査を行い、申し出がない場合は対比調査を行わないこともあります。

(工事前)

(工事後)

事業損失に関するご質問
近所の家で大規模な工事があると聞きました。
自分の家に影響がないか不安なのですが・・・

まず、工事の情報や説明がなければ開示していただきましょう。
建物が傾く、亀裂が入るような場合もありますので、事前に調査をしてもらってください。
大規模な工事でしたら、必要な範囲は事前調査するはずですが、工事側が不要と判断すれば行わないこともあります。
不安があれば現場の方に聞くことをお勧めします。

家の前の道路工事中に、外壁にひびが入りました。
苦情などどこに言えばいいのですか?

様々なケースが考えられますが、まずは直ちに施行者または起業者に届け出てください。
少しの被害でも自分で修理しようとせず、一度見てもらってください。
もし、自分で修理される場合でも写真などに記録し、証拠を残す必要があります。

近所でマンションの建築工事があるので、事前調査をすると言うチラシが入っていました。具体的には何をするのですか?

工事の内容から振動や地盤沈下の程度を予測し、建物や工作物の現況を把握し、写真を撮ったり測量などしておきます。
工事中、工事後に被害が生じたときに因果関係の立証に役立てるためです。

もし家が壊れたり、壁が落ちたりしたら直してくれるのですか?

基本的には金銭補償が原則です。
しかし、補償代行工事として原因側が原状回復工事を行うこともあります。
また、工事中に日常生活に支障をきたすような被害が生じた場合には、応急的に原因者で修理することもあります。

工事の影響はどのくらい続くのですか?

影響は工事の種類によって違いますが、振動だけの工事であれば、さほど影響はないと思われます。
事後調査ですと、地盤が安定してくる3ヶ月程度経過してから調査に入らせていただくケースがほとんどです。

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