定期報告制度とは? 建物の健康診断=定期報告制度 不特定多数の方が利用する特定建築物(病院や学校、ビル等)では、老朽化や設備に不備があると、大きな事故や災害が発生する恐れがあります。 こうした事故等を未然に防ぎ、安心して使い続けるために、建築基準法(第12条)では専門の技術者により、建築物や建築設備の定期的な点検・検査をし、建築物の所有者または管理者はその結果を特定行政庁に報告する義務があります。 特定建築物等定期調査 特定建築物の所有者または管理者は、原則として1〜3年に1回(※建物用途・規模により異なる)は定期調査を実施し、その結果を特定行政庁に報告する義務があります。 定期報告が必要とされる「特定建築物」は政令と全国の各特定行政庁が定める条件に基づいて指定することになっています。 誰が検査をするの? 一級建築士・二級建築士取得者の他、特定の講習を受けて特殊建築物等調査資格者の資格を取得した担当者が行います。 調査内容 敷地及び地盤の調査・屋上及び屋根の調査・避難施設等の調査・建築物の外部の調査・建築物の内部の調査・その他調査 建築設備定期検査 一定の用途・規模の建築物所有者または管理者は、原則として1年に1回、建築物に設置されている建築設備の状態を調査・検査し、その結果を特定行政庁に報告しなければなりません。 誰が検査をするの? 一級建築士・二級建築士取得者の他、特定の講習を受けて建築設備検査資格者の資格を取得した担当者が行います。 検査内容 建築設備定期検査の内容は大きく分けて4種の設備の検査を行います。 1.換気設備 室内の新鮮な空気を保ち、ガス器具の燃焼のための酸素を供給する設備です。換気扇やレンジフードの動作、換気扇の風量、運転状態などを検査します。 2.排煙設備 火災発生時の有毒な煙や熱を建物外に排出し、避難経路を確保するための設備です。手動開放装置、排煙機の運転状況、防煙区画、排煙口の開閉などを検査します。 3.非常用の照明設備 地震や火災、その他災害などにより停電が発生した場合に点灯し、避難を安全に行うための照明装置です。点灯確認、照度測定、障害物の確認を行います。 4.給排水設備 わたしたちの生活に欠かせない「水」を供給するための給水設備と使った水やお湯を捨てるための排水設備のことです。ポンプの運転異常の確認や、腐食・漏れの確認などを行います。 防火設備定期検査 近年発生した火災事故で、多くの犠牲者がでた被害拡大の要因として、防火設備の不備が指摘されています。その再発防止の為、平成28年6月1日施工の法改正で防火設備点検に関する規定が強化されました。 建築物の所有者または管理者は、原則として1年に1回は防火設備定期検査を実施し、その結果を特定行政庁に報告する義務があります。 ※消防法に基づく消防用設備等点検とは異なる制度です。 誰が検査をするの? 一級建築士・二級建築士取得者の他、特定の講習を受けて防火設備検査員の資格を取得した担当者が行います。 検査内容 〇シャッター・スクリーンの駆動装置の確認 〇煙・熱感知器との連動閉鎖確認 〇危害防止性能の確認 (シャッター・スクリーン/運動エネルギー・停止距離扉/運動エネルギー・閉じ力)